発酵が引き出す、やさしいピーリング―GHファーメントのマイルドピーリング効果―
008.

発酵が引き出す、やさしいピーリング―GHファーメントのマイルドピーリング効果―

研究・調査2026.04.23
008.

発酵が引き出す、やさしいピーリング―GHファーメントのマイルドピーリング効果―

研究・調査2026.04.23

Index

私たちはこれまで、BRファーメントを核とした発酵エイジングケアの研究を積み重ねてきました(*1)。今回はその延長線上にある新たな探索―「発酵の力で、落とす」というテーマへのアプローチをご紹介します。辿り着いたのは、黒米と同じ京都・京丹後産の百花蜜を発酵させることで生まれる「GHファーメント」。そのマイルドピーリング効果について、検証を実施しました。

(1)

1. 肌とクレンジングの関係性

クレンジングや洗顔は、スキンケアの中でも特に慎重に向き合うべきステップです。

加齢とともに代謝が低下した肌には、重層化しやすい古い角質や、毛穴やキメの凹凸に残った汚れなど、通常の洗浄では落としにくいものが存在します。しかしそれらを落とそうとして洗浄力を高めすぎると、今度は洗い上がりの肌が乾燥しやすくなってしまいます。

落とすべき汚れを落としながら、肌本来の潤いとすこやかさは守る。この難題に、発酵の力でアプローチできないかと考えて行き着いたのが、GHファーメントのピーリング効果です。

(2)

2. 角質ケア成分の比較―AHA・BHA・PHAの違い

化粧品に用いられる角質ケア成分(ヒドロキシ酸)は、大きく3つに分類されます。

AHA(アルファヒドロキシ酸)はグリコール酸や乳酸などが代表的です。分子量が比較的小さく、皮膚への浸透性が高いため角質ケア効果が高い反面、深部まで作用することで刺激やヒリつき、炎症を引き起こしやすいという側面があります(*2)。また、酸性条件下でなければ効果を発揮しにくいという特性もあります(*3)。

BHA(ベータヒドロキシ酸)の代表はサリチル酸です。脂溶性のため毛穴の内部まで浸透しやすく、皮脂による詰まりへの働きかけに適していると言われています。

PHA(ポリヒドロキシ酸)は、AHAの次世代成分とも位置づけられています。グルコン酸はその代表的な一種で、複数のヒドロキシ基(-OH基)を持つという分子構造上の特徴から、AHAと比べて分子量が大きくなります。この分子量の大きさが、PHAの重要な特性を生み出しています。AHAが皮膚の深い層まで浸透するのに対し、PHAは浸透性が弱く、主に角質層の表面付近にとどまって作用すると考えられるため、刺激が少なく、センシティブな肌にも適しているとされます(*4)。

AHA・BHA・PHA比較

私たちが着目したのは、このPHAに分類されるグルコン酸であり、その素材として行き着いたのがはちみつでした。はちみつにはもともとグルコン酸が含まれており、発酵によってその量を大幅に増やすことができると予想されました。

(3)

3. GHファーメントのマイルドピーリング効果

角質細胞は「コルネオデスモソーム」と呼ばれるタンパク質構造体によって互いに結合しており、正常なターンオーバーの過程でこの結合が分解されることで、古い角質は自然に剥離します。AHAはその小さな分子量によって角質層の深部まで浸透し、角質を剥離させますが、GHファーメントは分子量の大きいグルコン酸を豊富に含むため、表面の古い角質をマイルドに剥離させることが期待されます。

GHファーメント ピーリングメカニズム

AHAなどの従来のピーリング成分は低pH(酸性条件)でなければ効果を十分に発揮できず、肌への刺激が強くなりがちでした。しかし、GHファーメントは中性領域のpH条件下においてもマイルドピーリング効果を示すことがわかっています。

実際に肌の色調変化(メラニン値・明度)で効果を評価した試験においても、中性pH条件下で染色の消失を促進し、塗布9日後に明度の向上が観察されることがわかりました。

中性pH条件下でのピーリング効果試験結果

これはGHファーメントが、角質ケアに関わる酵素「カテプシンD」の活性を促進するという、特徴を持っているからだと考えています。カテプシンDはコルネオデスモソームの分解に関わるプロテアーゼ(タンパク質分解酵素)の一種であり、正常な角質剥離に関与することが知られています(*5)。加齢によってこの酵素の働きが低下すると、古い角質が剥がれにくくなり、重層化が起こるとされています。

蛍光強度法を用いてカテプシンDの活性促進作用を評価した試験では、グリコール酸(AHA)と比較して、GHファーメントは濃度依存的に高い活性促進作用を示すことが示唆されました。

カテプシンD活性促進試験結果

(4)

4. AHA・BHAとの比較

GHファーメントのピーリング効果を、代表的な角質ケア成分であるAHA(マンデル酸)およびBHA(サリチル酸)と比較する試験も実施しました。6日間塗布後のメラニン値・明度を測定した結果、GHファーメントはAHA・BHAと比較して、メラニン値の減少および明度の向上においていずれも高い結果を示すことがわかりました。このことから、マイルドでありながら従来の角質ケア成分を上回るブライトニング効果を持つことがGHファーメントの特徴の一つになる可能性が示唆されました。

AHA・BHAとの比較試験結果

FASリサーチセンターでは今後も、発酵の力が持つ可能性を追求し、肌の老化に寄り添う製品づくりのための研究を続けてまいります。

*1 FASリサーチセンター「全層に届ける発酵の力〜FAS初の独自成分「BRファーメント」〜」https://fsrc.jp/research-center/4

*2 Almeman A.A. "Evaluating the Efficacy and Safety of Alpha-Hydroxy Acids in Dermatological Practice: A Comprehensive Clinical and Legal Review." Clinical, Cosmetic and Investigational Dermatology, 2024. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11268769/

*3 Thueson D.O. et al. "The roles of pH and concentration in lactic acid-induced stimulation of epidermal turnover." Dermatologic Surgery, 1998. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9648571/

*4 Jarząbek-Perz S. et al. "Evaluation of the effects of 10% and 30% gluconolactone chemical peel on sebum, pH, and TEWL." Journal of Cosmetic Dermatology, 2023. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jocd.15864

*5 Igarashi S. et al. "Cathepsin D, but not cathepsin E, degrades desmosomes during epidermal desquamation." British Journal of Dermatology, 2004. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15327542/

※本文に記載の試験データはすべて自社調べによる。

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